久しぶりに会う年の離れた弟はちょっと見ない間に男らしくなっていた。
弱虫でいつもだれかの後ろに隠れていた小さな男の子はアメフト界のヒーローに成長していた。



「シクシク坊やだった頃が懐かしい。」

「からかわないでよ…しかもそれ何時の話?」

「ごめんって。でもセナがアイシールド21か…モテモテでしょ?」

「まさか。」



少し苦笑いで控えめな返答をするところがセナらしい。
きっと女の子からワーワー騒がれたことだろう。
ほんの2年ほど前だったら友達やまして部活に入れるような子じゃなかったのに…
未来は本当にどうなるもんかわかんないもんだ。



「でもなんか寂しいな〜、セナももう姉離れか〜」

「確かに僕ずっとなまえちゃんとまもり姉ちゃんに守ってもらってたもんね」

「あはは、自覚あったんだね。」



少し恥ずかしそうにするセナを見ると少しだけホッとした。
こういうところは全然ヒーローっぽくない、ただの小市民なあたしの可愛い弟。



「彼女連れてくるときはあたしに連絡しなさいよ?」

「か、彼女?!そんな子いないよ…」

「あら、あのチアガールの子だと思ったんだけど、違うの?」

「ちちちち違うよ!鈴音はただの友達で!」

「鈴音ちゃんって言うんだ。ふーん…」

「もうなまえちゃん、勘弁してよ。」



降参、と両手をあげるセナに思わず吹き出してしまった。







反則も悪くないなと思いました

( そっか〜あたしももうすぐ伯母さんかー )
( 気が早いよ、なまえちゃん! )



暴走する姉とセナ / 2014.12.11



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