被報告者のキモチ








「電話の相手誰?女の子だったよね?」



女独特のうざい話し方で電話相手を聞かれた。キツイ香水が鼻につく。



「後輩だよ、部活の。」

「そうなの、よかったぁ。阿含がほかの女に電話してるのかと思ってドキドキしちゃった。」



うぜえ、馬鹿丸出しな女のコメントに対し心の中で毒を吐く。頭の悪い女は嫌いではないが彼女面のような態度をとる奴は反吐が出そうなぐらいうざい。
まぁ電話したのは女だけどな、とその女を蔑むような目で見たあとにふたたび心で呟いた。

つーか、俺の学校が男子校だって言ったこと覚えてねえのか。
それを聞いてうざい話し方でも可愛ければ良い、そう思ってた思考も全部消え失せた。



「やっぱ帰るわ。」

「え、阿含?どうかした?」

「うるせえよ、気分が変わったんだ。」



絡み付いてくる腕を振りほどいて、まだ間に合う終電に乗るために駅まで足を向けた。
後ろからなにかぎゃーぎゃー喚いてるけど、何も聞こえない。



これも全部、なまえとの電話をしてきたせいだ。

初めてアイツから電話をかけてきたと思えば、あのまたカスの名前を言う。
嘘をついただのなんだの、そんな内容だった気がする。どうでもよすぎて忘れた。
気に食わないのは、アイツのために俺との約束を無視するなんて言い出したことだ。

そもそもアイツの周りにはうざいことにあのカス以外にも男がいる。俺のこともベラベラ話してるあたり仲が良いということもわかる。
一休といい、あんな奴のどこがいいんだと言いたくなる。

だけどそんな俺自身が一番人のことは言えない。
現に電話がかかってきた時も普段なら出ないはずなのに、すぐさま出るような変わりようだ。
それなのにわんさかカスの名前を出すなまえに苛立ちを感じる。



俺らしくもない、そう思いながら電車のホームを抜けた。







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