7年生

 七年生。
 ヴォルデモートの亡骸が目の前にある。歓声を上げる魔法使いと魔女が私を取り囲むのを無視して足を進めていく。ここまで茶番に付き合ったのだから、もう解放されてもいいだろう。一刻も早く逃げ出すためにがむしゃらに足を動かしていると、目の前に一人の人物が現れた。――そういえば、彼だけは違った。

「マルフォイ」

 ヴォルデモートの配下になるはずだったマルフォイが姿を消したときは驚いたし、最終決戦のときに姿を現したときはもっと驚いた。
 知らぬ間に足は止まり、マルフォイと視線が絡む。信じられないほど柔らかな笑みを浮かべたマルフォイが、私に愛を告げる。

「……うん」

 短く素っ気ない返事だというのにマルフォイは全てを悟ってくれた。



 プツン



 マリオネットの糸が切れる音が、聞こえた。

120723
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