おわり

 マルフォイと結婚をすると言ったときのロンとハーマイオニーの反応は見物だった。長年一緒にいるが群を抜いて面白い顔をしていて、けれど最後には盛大にお祝いをしてくれた二人が大好きである。
 そういえば、ジニーに結婚報告をしたときの絶望ぶりが半端じゃなくて、もしマルフォイがいなかったら私はジニーと結婚させられていたかもしれないと思った。

「上の空でどうした?」
「別に、どうもしない。……ただ、ドラコと結婚するとは思わなくて」
「……僕以外との結婚なんて認めない」
「君って、変なやつだよね」
「変なのはヘンリーだろ」
「そうかな?」

 瞬きを一つして首を傾げていると、ドラコが顔を近づけてきた。反射的にドラコの顔面に拳をめり込ませてしまい慌てて謝罪をすると、隙をついてキスをされる。意外とタフなドラコにもう二発拳をぶつけてから腰かけ椅子から立ち上がり、純白のドレスの裾を摘む。丈の長いスカートは歩きにくいが、ドラコが綺麗だと褒めてくれた今日の姿は嫌いじゃない。
 私の前に差し出されたドラコの腕に自分の腕を絡め、確認するように頷き合ってから一歩を踏み出す。扉をくぐった途端花を投げてお祝いをしてくれるみんなに自然と口元がほころび、ドラコと永遠の愛を誓った。――これから、私の本当の物語が始まる。

120723
end
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