2年生

 二年。
 マルフォイがシーカーになったと自慢してきたが、一年のときにシーカーになった私にそんな自慢をするなんて間抜けなんじゃないかと思った。それを言葉にはしなかったが態度に表れてしまったのか、不満な表情をしたマルフォイがハーマイオニーに八つ当たりをし始める。穢れた血。そうハッキリ発音したマルフォイに「近親相姦一族」と呟くと怒り狂っていたロンですら呆気にとられた顔をしていた。うん、少し言い過ぎたと自覚はしているからその目は止めて欲しい。

「ポッター……まだあのときのことを怒っているのか?」

 急にしおらしくなったマルフォイが様子をうかがってくるが、あのときのこととはいったいなんだろうと首を傾げる。思考に夢中になっているとなにを勘違いしたのかマルフォイは顔を歪めて私の腕を掴む。ロン、ハーマイオニーや双子を始めとしたグリフィンドール生が私を離すようにと訴えるのを無視したマルフォイは慎重に言葉を選んで訴える。

「お前は操り人形なんかじゃない」
「?」
「僕は人形を好きになったりしない」

 マルフォイがいったいなんのことを言っているのか理解できなくてロンをうかがうとロンも頭にクエスチョンマークを浮かべていたので視線を動かしハーマイオニーをうかがうと彼女も首を傾げていた。私が意味を理解していないことにようやく気づいたマルフォイが怒ったように顔を赤く染め頭を殴ってくる。痛みに顔をしかめるも、そこでようやく去年マルフォイに言われたことを思い出した。信じがたいことだが、どうやらマルフォイは私を励まそうとしてくれたらしい。ありがとう、とぽつりと呟いた言葉はきちんとマルフォイに届いただろうか。

120707
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