骨を拾う

 全ての見回りが終わり森から抜け出すと、待ちかまえるようにリドルが立っていた。リドルは私の一歩後ろにいるジェームズくんをチラリと見るも興味を示すことはなく、ジェームズくんを視界からシャットアウトして、真っ直ぐ私のもとへ歩み寄ってくる。リドルの考えていることは、皆目見当がつかない。

「禁じられた森の見回りをしていたんだって?」
「うん。リドルは、なぜこちらに?」
「君が一人で見回りに行ったと聞いたから、骨を拾いにきてあげたんだよ。――で、彼は森の中にいたのかい? 彼の罰則は僕が与えておくから、ヘンリーは先に帰っていいよ」

 ひらりと手を振るリドルの言葉に従うべきか悩むも、自分に与えられた職務を投げ出すのは正しくないだろう。もしこれがジェームズくんの寮監であるマクゴナガル先生なら彼を引き渡したかもしれないが、丁寧に申し出を断ると、リドルは不満そうに片眉を動かす。しかし、文句を言うことはなく、足を動かした私の隣に並ぶ。私の進む方向にリドルの部屋はなく怪しむように彼へ視線を向けると「彼を部屋まで送るんだろう? グリフィンドール寮まで案内してあげるよ」というなんとも優しい言葉をかけてくれる。マクゴナガル先生の私室を訪ねるときに何度もグリフィンドール寮の前を通ったことがあり、道がわからないことはないのだが、せっかくなのでリドルの好意に甘えることにした。

130517
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