ハンター文字

 もう帰っても大丈夫だと言ったのだがルーピンくんが部屋を出て行くことはなく、私はベッドの上で、ルーピンくんは椅子の上で寛いでいた。マクゴナガル先生に借りた本に目を通しているとルーピンくんに声をかけられ、顔を上げると目と鼻の先に彼がいて驚く。瞬きを一つしてからどうかしたのかと問いかけると暇だと訴えられたので寮に戻ったらどうだと言うと不満そうな顔をする。

「なにか面白い話をしてくださいよ」
「えええ……無茶ぶりしないでください」

 眉を寄せて視線を彷徨わせるも、本にしおりを挟むと腰を掛けていたベッドから立ち上がり、テーブルの上に置いてある羊皮紙を一枚手に取る。羊皮紙の上に羽ペンを走らせ、横から覗き込むルーピンくんに、文字を書き終えた紙を手渡す。不思議そうに首を傾げる彼にハンター文字だと教えると、解読をしようと頭を悩ませていた。
 再びベッドに腰を下ろして本の文字を目で追っていると、部屋の扉が音を立てて開く。入ってきたのはジェームズくんとブラックくん、それからペティグリューの三人で、ジェームズくんに本を奪われる。なにをするのだと視線を向けても彼が本を返してくれることはなく、仕方なく彼らを相手をすることにした。

130424
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