封印の儀式

 魔法や薬がなくてもできる怪我の治療法を教え、その日の授業は終了した。質問にくる生徒に謝罪をしてルーピンくんの名前を呼び、話があるので付き合ってくれないかと誘うと、彼は戸惑いながらも了承をくれる。リーマスになんの話だと不満そうな顔をしているジェームズくんをあしらい自分の部屋まで帰ってくると、防音呪文を唱えた。

「今から、封印の儀式を行います」
「……え?」
「ダンブルドア先生から頼まれました。効果の保証はしませんが、安全性は保障します」

 戸惑うルーピンくんを部屋の中央に座らせ、床に術式を書いていく。居心地悪そうに身じろぐルーピンくんに、すぐに終わるのでおとなしくしているよう注意してから印を組んだ。床に書いた文字がルーピンくんの体に集まっていくのを確認してから手を叩くと、金縛りにでもあっていたかのように固まっていたルーピンくんが、恐る恐る私に声をかける。

「あの……なにをしたんですか?」
「満月の夜になればわかります。……成功していれば、ですが。体調が悪かったりはしませんか?」

 ルーピンくんの肩に手を乗せジロジロ観察すると彼は萎縮していき、さすがに不躾だったと謝罪をして離れ、もう帰っても大丈夫だとルーピンくんの背中を押した。

130421
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