暇な時間 授業の時間以外は基本的に暇である。他の先生もそうであるのかは知らないが、特にしなければならないこともなく、マクゴナガル先生の授業を聴講することにした。マクゴナガル先生に許可をもらい部屋の隅に座っていると何人かの生徒が不思議がる視線を向けるも、気にすることなく羊皮紙にメモをとる。魔女歴数日の私には、マクゴナガル先生がなにを言っているのかさっぱりだったが、教えられた魔法を使いこなすことはできたのでよしとしよう。 授業が終わり、次はなにをしようと荷物を纏めていると、視界の端から近づいてくる人物に気がつき、顔を上げる。緑色のネクタイをきっちり締めたレギュラスくんと視線が絡み、彼も今の授業を受けていたのかと目を瞬いていると、彼は大股で近づいてきた。 「こんなところで、なにをしているのですか?」 「授業を受けていました」 「今の授業を、ですか? タワシをハリネズミに変身させるのなんて、簡単な魔法じゃないですか。少なくとも、透明魔法より難易度は優しいはずです」 なぜ今さらという顔をしているレギュラスくんに、魔法がほとんど使えないから勉強しているのだと言うと驚いた顔をされ「では、異世界から来たというのは、本当なんですか? ジョークだと思っていました」と言われた。 130416 次のページ# 目次/しおりを挟む [top] |