下手くそな文字 ペティグリューくんに相談をして、次の授業を決めていく。わかりにくいところはないかと問うと、彼はどもりながらも丁寧に答えてくれ、彼の回答を参考にして文字を書き込む。相変わらず自分の汚い字に溜息を吐くとペティグリューくんに綴りの違いを指摘され、羊皮紙をくしゃくしゃに丸めた。 「あの、先生、」 「? なんですか?」 「羊皮紙、捨てないでも、魔法で文字を消せば……」 「……そんなこと、できるのですか?」 ゴミになったと思っていた羊皮紙の皺を伸ばすと、ペティグリューくんは間違えた箇所を魔法で直してくれ、便利な魔法もあるものだと思わず彼を凝視すると、怯えられた。…………。いくらなんでも怯えるのはひどくないかと唇を尖らせ、ペティグリューくんの頬に指をつきさすと、彼は慌てて謝罪をする。――そんなこんなで出来上がった羊皮紙を見直し、手伝ってくれたペティグリューくんに丁寧にお礼を言う。ちらりと時計を見るとそろそろ夕飯の時間になっていて、飽きることなく相談会をしている三人に声をかけ、夕飯を食べに行くことになった。 生徒用のテーブルで食べようというブラックくんの誘いを断るのに、今日の残りの体力を奪われた気がする。 130325 次のページ# 目次/しおりを挟む [top] |