部屋を貸す条件

 命の恩人の頼みを断るのかと言うブラックくんの言葉にキョトンとすると、糞爆弾から助けてやっただろと続けられ、命の恩人という物言いは大袈裟すぎではないかと眉を寄せる。
 勝手に実験道具を並べ始めるブラックくんと、どうするべきか悩んでいる三人。ブラックくんを諦めさせるのは骨が折れそうで、溜息を一つ零してから、条件つきで、この部屋に来ることを許した。

「まず一つ。無断でこの部屋に入るのは駄目です。二つ。実験より、宿題や課題を優先してください。三つ、」
「まだあるのかよ」
「……。今は、このくらいにしておきます。あなたたちが常識の範囲外の行動をした場合は、これに限りませんのであしからず」

 懐から出した杖で、ブラックくんの腰掛けているベッドを、四人掛けのソファーに変身させる。素直に感心してくれるペティグリューくんに照れ笑いをしてから、手元にある羊皮紙に視線を落とした。
 汚いアルファベットの並ぶ文字を改めて見て、くしゃりと紙を握り潰す。英語で筆記することを諦め、慣れ親しんだ文字で羽ペンを走らせるとインクが黒く滲み、また一枚紙を無駄にする。羊皮紙相手に四苦八苦していると、三人の会話に入れないのか、退屈そうに指を弄るペティグリューくんが視界に入り、さらに、バチリと目が合うものだから、思わず彼を呼び寄せてしまった。

130306
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