部屋の居心地

 ダンブルドアに与えられた部屋は、どこにでもありそうな内装をしていて、私好みの白で統一された家具が並んでいる。テーブル、椅子、クローゼット……特に気に入っている家具は、スプリングのきいたベッドだ。
 暇つぶしを兼ねて次の授業の支度をしていると、部屋の扉がノックされ、返事をしようと顔を上げると、扉が開いた。返事はしていないというのにお構いなしで入室してきたのはブラックくんで、彼に続いて三人の生徒が入ってくる。

「ヘンリー、」

 一番に目があったのはジェームズくんで、彼は私の存在に気づくと気まずそうに視線を彷徨わせた。それからペティグリューくん、ルーピンくんという見知った顔に目を瞬くと、ブラックくんが鼻を高くして宣言する。ここが俺たちの新しい実験場所だと。

「許可した覚えはありませんが」

 確かに実験場所として使わせて欲しいと頼まれたが、了承した覚えはなく、訝しむ私の肩を馴れ馴れしく叩いたブラックくんは、私の言葉が聞こえなかったかのように涼しい顔をしていて、部屋の居心地を確認するように一通り物色すると、ベッドに腰を下ろす。「うん、申し分ない」と我が物顔をしているブラックくんの頭に拳骨を落とした。

130217
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