二人の生徒と質問 授業が終わると何人かの生徒が質問という名の雑談を持ちかけてきて、休み時間ギリギリまでお喋りをしていた。次の時間に遅れると大急ぎで走っていく彼らを呑気に手を振って見送るも、まだ教室に残っている二人の生徒の存在に気づき首を傾げる。なにか質問でもあるのだろうかと声をかけると、生徒の一人、ジェームズくんは首を縦に振り、もう一人の生徒、セブルス・スネイプくんは、少し悩んだ後首を横に振り教室を出て行った。 「あの、先生、」 「?」 「こここ、こ、」 「? こ?」 「っ……なんでない」 教壇に立っている私と、席に座っているジェームズくんの間には距離があり、よく彼の表情をうかがうことはできなかったが、なにやら葛藤をしているらしい。なんでもないと言いつつ教室を出ていく気配のないジェームズくんの言葉を、待ち続けるべきかどうするべきか悩んでいると、意を決したような表情で、ジェームズくんが近づいてきた。 「ヘンリーは、クィディッチを知っているかい?」 「うん、知っています。以前マクゴナガル先生に教えていただきました。ジェームズくんは、グリフィンドールチームの選手なんですよね?」 誇らしげにジェームズくんのことを語っていたマクゴナガル先生を思い出しクスリと笑うと、ジェームズくんは視線を泳がせてから頷いた。 130127 次のページ# 目次/しおりを挟む [top] |