ハンターという世界

 私の受け持つ異世界学は学期の途中という半端な時期に開講した。そのため、受講する生徒は週に三回の授業を受けなければならない。他の授業と被り出席できないという生徒のために、週に五回の授業と、さらに、休みである土曜日にも授業を予定している。生徒には週に三回出ればいいと言ってあり、今日は何人の生徒が来るだろうかと教室に顔を覗かせると、予想より多くの生徒がいて驚いた。数人いればいいと思っていたのだが、八割の生徒が座っており、その中にはジェームズくんの姿も見える。

「こんにちは、みなさん。――今日は、私の生まれ故郷の話をします」

 出席を取り終えた名簿を教卓の上に置き、早速授業に入る。私の授業では一切のメモを禁止しており、羊皮紙を出している生徒に注意をしてから、物語をなぞるように言葉を並べていく。

「ハンターという、みんなが憧れる職業がありました。ハンターになるためには、試験を受けなければなりません。試験の内容は毎回変わり、武力・発想力・知識……様々な観点から試され、試験の内容によっては命を落とすこともあります。過酷な試験を乗り越えた者には、ハンターの資格を受け取ることができるのですが――」

 話し上手ではないので、節々で言葉につまりながらも、なんとか初めての授業を乗り切ることができた。……と思う。

130124
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