リーマス視点

 今度の悪戯に必要となる魔法薬を作るため、授業が終わった途端一人で飛び出して行ったシリウスは、不機嫌ですという文字を顔に書いて戻ってきた。なんでもある女の子に魔法薬を作っていられる所を見られ、その女の子がとても腹の立つ所行をしたのだとか。
 女の子がなにをしたとシリウスは詳しく話さないので、恐らく女の子はなにもしていないのだろう。――いや、なにも“しなかった”のだろう。シリウスは、自分に関心を持たれることを嫌っているが、それ以上に関心を持たれないことを嫌っていた。相変わらずの横暴ぶりに溜息を吐きたくなるのを我慢し、額に手をあてる。

「シリウス、実験は例の場所で行っていたのだろう?」
「ああ。いつものとこでやっていた」
「それは、おかしいね」

 ジェームズとシリウスの会話に首を傾げる。僕は魔法薬学が得意でなく、魔法薬を作るのは主にジェームズとシリウスが担当し、稀にピーターがくわわることもあるが、僕が実験に参加することはほとんどなく、彼らの言葉を理解することができなかった。いったい二人はなんのことを話しているのだとピーターに問いかけると、ピーターはビクリと肩を揺らす。不審なくらいの驚き具合に眉を寄せ、観念したピーターが告白した言葉に口元が引きつった。

130122
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