ジェームズ視点 まるで背中に羽根が生えたかのようにふわふわにやにやしていると、友人に気味悪がられた。そんなに機嫌が良さそうにしてどうしたんだい? と満月が過ぎ去っていつもの調子に戻ったリーマスが尋ねてくるので思わず心中を暴露しそうになるもなんとか言葉を飲み込み、スマイルを浮かべてさらりと流す。怪しむように片眉を動かしたリーマスがさらに言及しようとしたとき、タイミングよくシリウスが現れた。やあ遅かったねと片手を挙げて出迎えると、糞爆弾を頭から被ったような顔をしたシリウスは、足音を鳴らして寮へと続く階段を上っていく。リーマスと顔を見合わせてからシリウスを追いかけ、ピーターが必死になって課題をこなしているはずの部屋に入ると、シリウスに胸ぐらを掴まれているピーターが目に入り慌てて二人の間に割り込んだ。 「どうしたんだい、シリウス?」 「……どうしたもこうしたもねーよ」 「じ、実験が上手くいかなかったの?」 「っ俺が実験を失敗するわけないだろ!」 「シリウス、少し落ち着きなよ。ピーターを怯えさせてもいいことはないよ」 冷静な声音で割り込んできたリーマスの言葉で少しは我を取り戻したシリウスは、深く息を吐き出してベッドに腰を下ろす。そしてここに来るまでの出来事を話し始めた。 130121 次のページ# 目次/しおりを挟む [top] |