ホグワーツの恐怖

 異世界の文化について講義をして欲しいとのたまった老人に、腹の底が冷えるような恐怖を覚えた。ダンブルドアに異世界のことを話したことはなく、彼とは会話すらまともに交わしておらず、いつの間に開心術を使われたのだろうかと胸に手を乗せると、まるで私の心を読んだかのように「開心術は使っとらんよ」とダンブルドアは笑う。彼の言葉の真偽を探ることはできず、そして、言葉巧みに誘導され、気づけばホグワーツの教師になることが決定していた。

「これから“異世界学”の講義を始めます。入退室は自由ですが、私語は減点の対象です」

 ダンブルドアに渡された一本の杖を振ると、目の前の机が姿を変える。短時間でこれほど魔法を使いこなせるなんてとマクゴナガル教授を唸らせた私の魔法センスは抜群らしい。見事トロールに変身した机に悲鳴を上げる生徒を黙らせて、暴れ回ろうとするトロールの首を掴む。

「これは、トロールです。この世界で彼は狂暴な生き物らしいけれど、私のいた世界では、より狂暴な生物がいました」

 首に手刀を落としてトロールを気絶させてみせ、この程度の生き物なら、魔法などの特別な力を使わなくても仕留めることができると説明する。そしてそれは、私の世界の人間だけではなく、ホグワーツの生徒にも可能だと教えると、何人かの生徒は興味を持ったようだ。

130110
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