二人きりのデート

 ボスとトレーニングしているはずのリボーンが現れたのは先ほどのことで、リボーンは山本くんを引き連れてどこかにいってしまった。また、ランボと二人きりだ。半分以上食べたケーキをフォークで切り分け、口に運ぶ。目の前の子ども椅子に座っているランボはすでにケーキをたいらげていて、優雅に紅茶を飲んでいる。
 フォークに最後の一口を刺して、ランボの口の前に差し出す。食べますか? ケーキと私を交互に見るランボに声をかけると、彼は首を縦に振り、小さい口で咀嚼した。

「他にどこか、行きたいところはありますか?」

 会計を終えて店を出たはいいが、特に目的はなく、街中を適当に歩きながらランボの顔を覗き込むと彼は丸い瞳を向けてきた。今のランボの容姿には見合わない大人びた店を注文してくるのを聞かなかったことにして、ボスの家の近くにある公園に向かう。錆びた音のするブランコに腰を下ろし、ランボを膝に乗せて少しだけブランコをこいだ。

「十年でこんなに変わるなんて……人間の神秘」

 ランボの旋毛を見ていたら無意識に零してしまった言葉に、予想以上の反応を示したランボが、私のジャケットを握り締める。どうしたのだろうとランボを自分の目線の高さまで抱き上げ、顔をつき合わせた。

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