冬も本番に入りました

 やけに寒いと思っていたら、外には雪が積もっていた。山本くんに外に行かないかと誘われたが全力で断り、部屋着の上に服を着込んで暖まっていると、ビアンキさんが訪ねてきて「あなたも仲間外れにされたのね」と涙を拭うふりをする。いったいなんのことだと頭に疑問符を浮かべているうちに服を着替えさせられ、並盛中のグラウンドに連れてこられ、寒さにガクブルしているうちに始まったレオンの奪い合いに強制参加させられたかと思うと早々にリタイアしてしまった(あまりの寒さに戦闘不能)。雪の上で膝を抱えて寒さをこらえていたのだが、なぜか日曜日の学校に現れた雲雀くんに引きずられ、応接室の入口をくぐる。仕事が溜まってたんだよねと書類の束を渡してきた雲雀くんはいつも通りだが、暖かい室内に連れてきてくれた彼に、私は心の底から感謝をした。
 指がかじかんで動かない私を見て呆れたように息を吐き出した雲雀くんは、私の手をすくいあげる。雲雀くんの手から伝わる温もりに体全体がじんわりと温まっていき、遠慮がちに彼の手を握り返して、人肌で暖をとっていたのだが、不意に立ち上がった雲雀くんは、なにも言葉を残すことなく応接室を出ていった。雲雀くんがいなくなった部屋は、温度が下がった気がした。

121227
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