不思議な紙袋

 紳士的に家まで送り届けてくれたボスに感謝をこめて頭を下げるも、すぐに帰ろうと背を向けた彼を慌てて呼び止める。鞄から取り出した、無地のシンプルな紙袋を渡すと不思議そうな顔をされたので、チョコレートだと言うとますますボスは不思議そうな顔をした。
 ビアンキさんが参加した時点でまともなチョコレートができるとは思わず、ボスの家に行く前に市販のものを用意していたのだと言うと、それならビアンキを止めて欲しかったと青い顔でボスは言う。

「ビアンキさん、リボーンのために、凄い頑張っていました。それを止めろなんて、言えません」

 楽しそうにリボーンのことを話すビアンキさんを思い出しながら言うと、なんだかんだでボスも理解を示してくれたようだ。家まで送ってくれたお礼をもう一度ボスに言ってから、毎日お世話になっている山本家の玄関をくぐり、おかえりと出迎えてくれた山本くんに飴を渡し、山本くんのお父さんにはチョコレートを渡した。なんで飴? と首を傾げている山本くんに、チョコレートは学校でたくさんもらっていたみたいだからと言うと、彼は残念そうな顔をする。意外な反応に少しだけ驚き、ディーノにあげようと思っていたチョコレートを、思わず彼にあげてしまった。

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