昼ご飯のお誘い

 教師のお昼は寂しいものだと思った。職員室のデスクに座り、周囲からの物珍しそうな視線を流し、弁当の包みを開く。箸を手に取り両手を合わせ、白米を口に運ぼうとしていると、職員室の扉が音を立てて開いた。新人である私が応対するべきだろうと席を立ち上がり、視界に入ってきた人物に驚く。ボス、山本くん、獄寺くんの三人が昼食を片手に立っていて、昼食の誘いにきてくれたらしい。教師として生徒と食事をするのはどうだろうと思ったが、首を横に振ることなんてできなかった。

「あれ、ヘンリーさんと山本の弁当の中身、一緒だね」
「ん? ああ、ヘンリーが作ってくれたんだよ。な?」
「お世話になっているから、これくらいは。……獄寺くんにも、作ってこようか?」

 購買のパンにかぶりついている獄寺くんに目を向けると、彼は逆毛だった猫のように睨んできた。家でもまともな食生活をしていなさそうな気がして声をかけたのだが、私をファミリーとして認めていない獄寺くんには、声をかけることすらアウトらしい。ボスも私がファミリーになったことを喜んではいないようだし、あれ、私ってファミリーでいていいのだろうかと、少しの間落ち込んだ。今度リボーンに相談してみようと思う。

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