初めての授業

 一時間目終了のチャイムが鳴り響き、そろそろおいとましようと雲雀くんに挨拶をしていると、応接室の扉がノックされた。雲雀くんは返事をせずに椅子に座り、扉の奥の人物はもう一度ノックする。出なくていいのかと視線を向けても彼は我かんさずで、退室するついでに扉を開けると、そこにはボスが立っていた。奇遇ですねと頭を下げてから雲雀くんに声をかけようとしたのだが、ボスは私を探していたのだと腕を掴む。なにか用かと問うと、教師云々のことを根掘り葉掘り問われ、正直に答えていくと、ボスは脱力したように肩を落とした。

「それにしても、ヘンリーさんってけっこう年上なんだね」

 もっと若く見えたよと言うボスに、教室で答えた年齢は嘘だと言うと、なんでそんな嘘をついたのだというような眼差しを向けられた。年齢を偽れとリボーンに命令されたのだと説明をしていると、授業の予鈴が鳴り、次の時間は就任初めての授業で、遅刻するわけにはいかないとボスに頭を下げて校庭に足を進めた。並盛中で初めての授業は、正月合戦のときに初めて会った笹川了平くんのクラスだ。笹川くんは、一度しか会ったことがないにも関わらず友好的に接してくれ、私の教員生活は順調なスタートを切った。

121210
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