雲雀少年との顔合わせ

 応接室の扉をノックすると返事があった。名前を告げると入室の許可がもらえ、ゆっくり扉を開くと、一人の少年が机に腰を掛けていた。リボーンに渡されたファイルを開くと、一番はじめのページに、目の前の少年と同じ人物の写真が張ってあり、雲雀くん? 確認をとるように呼べば、彼は楽しそうに目を細めて近づいてきた。

「君が、赤ん坊の言っていた“ヘンリー”かい?」

 記号のように私の名前を呼んだ彼は、瞬きをする隙も与えずに攻撃をしかけてきて、彼の攻撃を避けることはせずにトンファーを受け止めると、雲雀くんは愉快そうに笑った。
 第二の攻撃を仕掛けられる前に、手のひらを彼に向ける。手のひらから衝撃波が繰り出されるとでも思ったのか、そうでないかは知らないが、雲雀くんは動きを止め、その一瞬を見逃すことなく、ファイルの中から一枚の紙切れを取り出す。紙に印字されているのは、私を風紀委員の顧問に任命するという内容だ。一度瞬きをした雲雀くんは、私の手からプリントを受け取り、文字に目を通す。納得していなさそうに片眉を動かしつつ、それ以上雲雀くんが襲いかかってくることはなく、雲雀くんにすすめられるがまま、応接室に備え付けられている、弾力のあるソファーに腰を下ろし、少しばかり彼と話し込んだ。

121209
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