ひとときの休息

 お腹が膨れ、各々が作ったベッドに潜り込み、泥沼にはまったかのようにみんなは眠りについた。僭越ながらもボスのベッドを作ったのは私で、意外にも高評価をもらい、獄寺くんにも文句を言われることはなかったので、悪くはなかったのだろう。まあ、ベッドといっても、落ち葉と風呂敷を使っただけの、簡易なものだけれど。
 ディーノに借りた上着に顔を埋めて寒さをしのいでいたのだが、隣からかけられた声に顔を上げる。そこには目をくりくりさせてるハルさんがいて、木の葉の布団を被ったまま近づいてきた。

「ヘンリーちゃんは、宇宙人さんなんですか?」

 目を輝かせているハルさんの言葉を否定すると、彼女はとても落ち込んだようだ。なんだか申し訳ない気分になって謝罪すると、ハルさんは気を取り直すようにたくさんのことを質問をしてきた。特に私がハンターの世界と仮称している世界の話を面白そうに聞いていてくれ、久しぶりの女の子との会話に笑みが浮かぶ。ハルさんは私が質問すると快く答えてくれ、すっかり意気投合した私たちは、今度の休みに遊びに行くことを約束した。美味しいケーキ屋さんを紹介しますね! という言葉を最後に、私たちはどちらともなく眠りにつく。私たちの会話を聞いていたリボーンとディーノが、口元に笑みを浮かべているなんて知らずに。

121203
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