秘境の地 リボーンに渡された手書きの地図を頼りに目的地に向かっていたのだが、曖昧なことしか書いていない地図では目的地にたどり着くことができず、木に囲まれた辺鄙な場所で迷子になってしまった。右を見ても左を見ても同じ景色が広がり、仕方ないと携帯を取り出すと、左端には圏外の文字が。本格的に迷子になったようだ。焦る気持ちとは裏腹に、冷静に歩いてきた道を戻る自分の足に感心していると、遠くの方から地鳴りのような音が響いてきた。もしかしたらリボーンがいる場所かもしれないという予感は的中し、けれど、ようやく合流できたことに安堵する間もなく、巨大化した亀のエンツィオから逃げる。 「ディーノ、部下はいないのですか?」 「おお、ヘンリー! 部下がいたとしても、ああなったエンツィオはどうすることもできねーよ」 「自分のペットに弄ばれるなんて……」 哀れむように視線を向けるとムッとしたようにディーノが吠える。それを無視してエンツィオと追いかけっこを続けていると、いつの間にか日が暮れてしまった。水分が抜け、ようやく大きさの戻ったエンツィオを、ディーノがポケットにしまう。――暗闇に包まれていく中帰り道を探すのは難しく、今日は野宿をすることになった。 121201 次のページ# 目次/しおりを挟む [top] |