異世界からの訪問者 リボーンが説明役を請け負ってくれるようなので、膝を抱えて眺めることにしたのだが、横から飛ばされる殺気に似た視線に肩をすくめる。居心地が悪いと思い始めた時、リボーンが勢いよくナイフを投げた。視線の根元、獄寺くんに向かい。顔の横をかすめたナイフに顔をひきつらせる獄寺くんに、リボーンがちゃんと話を聞くように注意をする。 「ヘンリーは、異世界からやってきた人間だ」 「い、異世界?」 「そうだぞ。ヘンリーがいた世界は俺らの世界よりベラボーに強いから、戦闘はしない方がいい。わかったか、獄寺」 勢いよく振り向いたボスと目が合うと、初対面のときのように怯えたような声を出される。それに反応した獄寺くんがダイナマイトを取り出すので、そのダイナマイトを消してみせると、獄寺くんはさらに目つきを鋭くさせ、倍のダイナマイトを取り出した。張り詰めた空気を破ったのはリボーンで、今言ったことを忘れたのかと、獄寺くんの頭を鈍器で殴る。 痛みで悶えている獄寺くんには悪いが、戦闘にならず安堵していると、ニカッと笑う山本くんに肩を叩かれた。今の凄いなという山本くんは友好的に接してくれ、居心地の悪かった空気が、少しだけ緩んだ気がする。 121126 次のページ# 目次/しおりを挟む [top] |