不明確な関係性

 ディーノと私の関係なんて、考えたことがなかった。
 ボンゴレ特殊惨殺という名称の部隊に所属している私が、なぜディーノと行動をともにしているかというと、ボンゴレ九代目の命令である。部隊の活動がないときはディーノの力になれと、言いつけられているのだ。
 ボンゴレ九代目を敬愛しているわけではないが、彼に大きな借りがあり、その借りを返すためにボンゴレに所属している私が彼の言葉を破ることなどできない。ボンゴレ九代目の命令通り、ディーノと行動をともにし、そこに関係性などなく、だが、あえて表現するとしたら――

「世話係、かな」

 頭に浮かんだ単語の中から一番しっくりくる言葉を口にすると、ディーノは不満そうな顔をする。部下がいないときのへなちょこディーノを面倒みたり、ディーノが急用で出かけたときの書類を処理したり、ディーノが疲れているときに手を差し伸ばしたり、世話係という言葉がピッタリだと思ったのだけれど。両手をポケットに入れて口を尖らせたディーノが自分の足に躓いて転ぶので、首根っこを掴んで地面との衝突を防ぐ。そんな私たちのやり取りを見ていたボスが小さく吹き出し「二人は、友達なんですね」と言うから目を見開くも、ディーノが肯定するようにニカッと笑うので、そういうことにしておいた。

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