はじめまして、ボス

 俺の弟分だとディーノが紹介してくれた彼こそが、次世代のボンゴレを背負う人物だった。紹介されるまでもなく知っていた、沢田綱吉という名前。思っていた以上に柔らかい人相をしている彼に胸を撫で下ろしていると、視線が交わる。不思議そうに私を眺めているボスを見て、自己紹介をしていなかったことに今さら気づく。普段の私ならこんな失態などしないが、ボスを目の前にして緊張しているのかもしれない。

「申し遅れました。ボンゴレ特殊惨殺部隊のヘンリーと申します。殺したい相手がいましたらお気軽にお申し付けください」
「ざ、惨殺!? 殺したい相手なんていないよ!」

 とんでもないというように顔をひきつらせるボスに、にっこり笑いかけると、彼は怯えたような声を出す。そんなに酷い顔をしてしまったかと頬に手を当てていると、ディーノが下から声をかける。ヘンリーも一緒にツナのところに泊まるか? というディーノに目を瞬き、うかがうようにボスに視線を向けると、ボス自らが私にお泊まりの誘いをかけてくれた。断る理由などなく、二つ返事で頷き、お泊まりが決定する。ディーノの部下を窓から見送ってから、奈々さんにお世話になると頭を下げに行くと、手放しに歓迎してくれた。

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