始まりの銃声

 ディーノに連れて来られた場所はボンゴレ十代目が住むという一軒家で、土足で家に上がり込もうとしているディーノの襟首を掴む。なにをするのだと振り返ったディーノに、日本家屋に入るときは靴を脱ぐのが常識だと教える。素直に靴を脱いでお礼を言うディーノの横で靴を揃えていると、ディーノの部下が、ボンゴレ十代目の部屋にディーノ愛用の椅子を運び入れようとしているのが見えた。邪魔になるだけだからそんな椅子を持ち込むのは止めるように言ったのだが、威厳がどうのこうのと言いディーノは譲らない。リボーンに視線を向けると、彼は少しだけ口の端を持ち上げて「放っておけ」と言う。リボーンが止めないのならディーノがあっさりと言うことを聞いてくれることは難しい。説得が面倒になり、心の中でボンゴレ十代目に謝罪をして、ディーノの代わりに家主に挨拶をしに行くことにする。
 ボンゴレ十代目の母親は沢田奈々と言い、とても中学生の子どもがいるとは思えないほど若々しい女性で、おおらかな性格をしていた。女性同士ということもあって話は盛り上がり、いつの間にかボンゴレ十代目が帰宅していたことに気づいたのは、外から轟音が響いてきたときだ。慌てて二階に駆けつけた私が見たのは、楽しそうに笑っているリボーンと、ディーノに見とれている、一人の少年だった。

121118
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