終幕後 全ての戦いが終わり、家に帰ってきた。相変わらず静かな家で私の帰りを待っている人物などいなかったが、隣にいる雲雀を見て笑みを浮かべる。 人の家だというのに遠慮の欠片もなく侵入していく雲雀の背中を目で追いながら靴を揃え、今日の夕飯はなににしようかと思考を巡らせていると、雲雀の入っていった部屋から爆発音が鳴り響いた。 まさかまたなにかあったのかと走り寄ると、梟と戦闘している雲雀の姿があった。 「……なにをしてるの?」 「咬み殺してる」 梟がなぜこんなところにいるのだとか梟がなぜ雲雀と互角に戦っているのだとか疑問は尽きないが、命の危険はないようだ。 『ヘンリー! なぜ雲雀くんがここにいるんですか』 「……骸?」 『家を訪ねてもいないし何日も帰ってこないし……どこに行ってたんですか』 「君に関係ないだろ。ヘンリー、早くご飯」 気が済んだのかお腹が空いたのか雲雀はおとなしく椅子に座っている。キッチンに立って帰りに買ってきた材料を並べていると、梟が頭に乗り鳴き喚く。 『聞いているのですか!』 「十年後に行ってたのよ。十年後のあなたは釈放されたわよ、良かったわね」 『十年後……? なぜヘンリーが十年後に……』 「雲雀や沢田たちも一緒によ。白蘭と戦ったの」 リズミカルに音を立てながら野菜を刻んでいると梟が邪魔をしてきた。なにをするのだと睨んでも効果はなかった。 120920 次のページ# 目次/しおりを挟む [top] |