使用方法・効果

「ヘンリーの発って、どんなの?」

 そう尋ねてきたゴンを見て、そういえば私の発を教えていなかったといまさら気づく。手の内を他人に教えるのは得策ではないが、ゴンとキルアになら大丈夫だろう。

「私の発は、“言霊”よ」

 ことだま? と首を傾げる二人に、実演した方が早いだろうと、息を吸い込む。「飲み物を持ってきて」そうゴンに向かって言うと、ゴンは不思議そうな顔で首を傾げたが、次の瞬間、慌てたように冷蔵庫に走った。冷蔵庫の中から取り出した缶を私に渡したゴンは、興奮したように私を見て、キルアは、早く能力を見せろと言うように睨んでくる。

「今のが能力よ。ゴンはわかったでしょ?」
「うん! ヘンリーが命令した途端、体が勝手に動き出したんだ!」
「……?」
「言霊に念をこめて、その人を操る能力よ。放出系と操作系を利用した発ね」
「へえ……俺にもやってみてよ」

 いまいち私の能力を理解できないのか、片眉を寄せて言うキルアに頷き「絶になりなさい」と言うとキルアの体からオーラが消えた。完璧な絶に感心をしたが、命令をしていないゴンまで絶をしたのはなぜだ。

「こんな便利な発だと、制約も大きいんじゃない?」
「うん、師匠にも反対された。発動条件が厳しくなるか、中途半端なものになるから止めろって」
「厳しい条件があるようには見えないけどなー」
「相手を強制して絶にできるなら、使えない能力でもないしな。どういう仕組みにしたんだ?」
「いろいろあるけど……一番は大きいのは、対象を“私より弱い人”にしたことかな」

 これを思いついたときは自分を天才だと思ったが、先生には猛反対され、それでも諦めようとしない私に「俺より強くなったらいいよ」と先生が言うので、タイマン勝負をし、見事勝利をおさめた。(先生は負けた後呆然としていた)

「お前の先生、弱いんじゃね?」
「うーん……弟子に負けるくらいだからね」
「てか、ヘンリーの発が効いたってことは、……俺たち、ヘンリーより弱いってことか?」
「あ、そうだね。ヘンリーって、強いんだね!」

 素直に感心するゴンの言葉は嬉しいが「おかしい……なにか他の制約かけてんじゃないのか……」とブツブツと自問自答しているキルアは、失礼じゃないかと思った。



使用方法・効果
・口から念を放出し、念に触れたもの(対象者)を操ることができる
・対象者は下された命令を完璧にこなす(制約に引っかかる場合はこれに限らない)

制約
・自分より弱い相手にのみ発動可能
・対象者が遂行不可能なことは命令できない
・対象者の命を危険にさらすようなことは命令できない

130208
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