「皆がどれほど心配したと思ってるんだ!」
勇の珍しく怒鳴った声が響く。
勇の前には正座をした千歳がいた。
「ごめんなさい…」
「はぁ…年頃の女子なんだ。もう少し慎重にだな」
「あ、あの近藤さん…」
千歳は勇の話を遮った。
「ん?」
「今回は自業自得な部分がすごくあります。でも今回の事で私がすごく非力だっ
て事が分かりました。だから…だからその…」
「何だ、はっきり言わんと分からんぞ」
千歳はやたら落ち着かないようで手を動かしたり足をもぞもぞと動かしてい
た。
しばらくして決心がついたのかぐっと顔を上げ勇の目をじっと見据えた。
「私も近藤さんの門弟にして下さい!」
(………あれ?)
意を決して発言した言葉を聞いたせいか勇はまばたきもせず千歳を見ていた
。
「あ、あの近藤さん?」
「いかん!」
ビクッ
「絶対にいかん!」
「ど、どうしてですか…?」
突如声を荒らげ否定の言葉を述べられ、千歳は納得がいかなかった。