歴史を綴る

カーチャルにとって、やりたいことはやるし、やりたくないことはしない。
だから子持ちから金を取りたくはないし、会議には参加したくない。
『おねだりをする幼稚園児』と言われて怒ったことがある。
理由はカーチャル自身にあるのだが。

「ヤン・ウェンリー、イゼルローンは陥しそうか?」
「カーチャル准将、どこに行っていたんだ?」

ヤンは机の上に胡座でカーチャルを見る。
カーチャルも足癖は悪いため何も言えない。ただこの態度を見せられたせいか、カーチャルはヤンが暗殺されるような人物には見えない。
軍が似合わない男、ヤンはカーチャル答えるのを待たなかった。
待ったどころで答えることに期待はしていない。

「どうだろうね、薔薇の騎士次第さ。」
「そうか。で、この軍艦の動きはなんだ。」

十三艦隊は何故かグルグルと円作り、循環している。
策の一部なのだろう。
カーチャルは聞いてはみたが、実はあまり気にしてはいない。
失敗すればそれまで。成功すれば今後を考えるだけの話だ。
カーチャルには内部から崩すというヤンの策に興味があった。
そうして陥るものは今まで歴史に語られている。
人は繰り返すから歴史は重要なのだろう。

「ヤン、イゼルローン攻略したら護衛兵でもつけたらどうだ。マスコミに護衛をつけている姿を見せたら、印象も変わるし。」
「護衛兵なんてつけたどころで何も変わらないさ。」
「変わるさ。俺の仕事が楽になる。」

後にヤンは護衛兵をつけては見たが、トイレにまでついて来られ、解散させたのは言うまでもない。
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