第一話 強い者を求めて

優勝者、優勝者・・・・・・
アリーナ姫は叫び散らした!!

「なんで毎回の優勝者が私なのよ!!
おかしいと思わない?なんのための武術大会なの。
私が毎回勝ってたからつまらないじゃない。
まあ私が強いからなんだけど。
ともかくよ、もっと強い人はいないの?」

クリフトは困り果てた。
どんなに姫様に騒がれようが、姫様以上に強い人は現れそうにない。
望まれてもクリフトにはどうしようもなかった。
近隣諸国にまで宣伝している武術大会。恐らく近隣には強い人はいないだろう。
困りに困り果てたクリフトは、とりあえず宥めることにした。
しかし、アリーナ姫はそうはいかない。
自らの意思で突き進む姫が進まない訳がない。障害など粉砕してしまうだけだ。

「探すわ、強い人を。
そうすれば武術大会も面白くなると思わない?」

あんまりのことに停止したクリフト。
これは姫様脱出の予感。
あれやらこれやらヤバいことを思い出したクリフト。
国に戻ってから、アリーナ姫は自国で武術大会を開きおとなしくしていた。
しかし、このままではまた国王が頭を悩ませてしまう!!
何がなんでも止めるしかない。

「いや、姫様以上に強い人などそう簡単に見つかるものではありませんよ。
世界を救った人以上に強い者など・・・・・・
姫様、聞いてますか」

この質問は無駄だった。
アリーナ姫が聞いているわけもなく、すでに旅の支度をしている。
止められる自信のないクリフトは、自分も旅の支度を始めた。

国王、申し訳ありません。
このクリフト、姫様を止められません。

前へ セーブ 次へ

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -