愛しい師匠 | ナノ


▼ 01.推薦者風間蒼也

「自覚はあるはずだが、お前はかなりの理論派なんだ。
菊地原の耳を生かした独自のスタイルを編み出せると俺は確信している。
耳に頼れば目以外で捉えられる情報が増えるのは分かるな?
それを有効かつ・・・・・・」

かれこれ一時間経過。
これは何かの試練か、と感じ始めた如月可憐は話を聞いてすらいない。
話し続ける小さな男 風間蒼也。しかし、今はやたらでかく見える。
「菊地原士郎という強化聴覚の副作用を持つ隊員の師匠にならないか」
と風間が言い出したのがきっかけ。
NOと答えたところ謎の説得が続く。
風間はそんな奴ではない、と如月は始めのうちは首をかしげたがそれはもう放棄された。
ここまで説得するなら頼むのではなく、命令すればいい気がする。
押しに弱いなと感じた如月は折れた。
ボーダー本部の食堂でA級定食が食べたかったのだ。

「わかったわかった!!
会うだけ会えばいいんだろ!!」

その時、遠くから自称実力派エリート迅悠一とA級攻撃手太刀川慶の声がした。
如月は嫌な予感しかしない中、ゆっくり後ろを振り返る。

「よし、太刀川さん如月さんが折れたからオレの勝ち」

賭けをしていた二人にとりあえず睨み付けておいた。
そして目の前には説得に成功して満足そうな風間蒼也。
このときばかりは三輪がいつも目付きが悪い意味が納得できた。
如月の目付きが悪いのは生まれつきだ。後天的なものではない!!
キランが出たまま風間は言う。
その台詞に如月は叫び散らした。

「よし、次は菊地原の説得だ」
「はぁ!?ご本人まず説得しろよ」
「口が悪く目付きが良くない見た目不良で
新人だろうが容赦なくボコすタイプだと言ったら、逃げたからな。
なんだ、その顔は。間違いじゃないだろう?」
「あぁ、あんたの天然が間違いなんだ。
バカか、こいつは」

ご本人が気にすることを目の前で堂々と言う風間に呆れた如月がいた。
その後ろでは賭けの報酬餅が迅に取られて悲しむ太刀川がいたとか。
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