愛しい師匠 | ナノ


▼ 07.師匠のダイエット

ボーダー本部には宿舎がある。
そこの一画をさらりと自宅化している如月がいた。
シャワーを浴びて下着のままキッチンに向かう。親の反対を押しきりボーダーに入ったためか、あまりいい生活はしていない。
キッチンに無造作に置かれた体重計は加古からのプレゼントだ。恐る恐る乗ってみる。
もらってから一回だけ使用しただけで、それ以外は物置にされていた。
画面を眺め、ただ黙るしかなかった。
そんなときにノックの音がした。
人が訪ねてくることが珍しい。大抵の人は呼び出す際に携帯を使用する。

「誰だ?」
「小南よ!!
差し入れあるんだけどいる?」

如月は鍵だけ開けて、奥に引っ込む。
音で気づいた小南は扉を開けて入ってきた。下着のままの如月にちょっと驚く。
体型がいいことにちょっと腹立たしさを覚えた小南。胸は大きくはない。Aだろう。
しかし、くびれが綺麗。
適当に取り出した服を、適当に着て如月は小南を椅子に座らせた。そして冷蔵庫に向かい、お茶を出す。

「ほら」
「あ、ありがとうございます。
これ、あたしが作ったカレーよ。作りすぎたの」
「そうか。飯、まだなんだ。
あんたは夜間任務か?」
「そう。だから寄ったのよ」

スプーンを出して席につく如月。
早速カレーを食べるらしい。食べている如月を見ている視界の端に、小南は体重計をとらえた。
何故あるのか。それは体重を計ったからに決まっている。当然な話だが。
しかし、計る必要性が全く見当たらないので小南は聞いてしまった。

「あの体重計は?」
「あ?
体重を計った。太ってたからな」

それを聞いた小南の声は悲鳴ものだった。
如月は耳を押さえている。
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