愛しい師匠 | ナノ


▼ 04.おれたちヤバインジャー

俺は諏訪だ。
この前如月に「居酒屋いこーぜ」とメールしたら、「焼肉行くから一人で行け」と言われた。
あまりにも悲しすぎると思う。
一人は余計だ。二宮も風間もいるんだから一人じゃない!!
まあ結局、誘いが断られたから一人だったが。
そんな俺は考えた。
ボーダーはもっと明るくあるべきだと!!

諏訪の謎の演説を聞いていたのは、米屋、出水、犬飼。
ちょっと変わった面子ではあるが、話はリズムよく進む。
相当一人居酒屋が寂しかったのか、と突っ込みを入れるのは無粋だろう。
話の内容は「ボーダーをもっと明るく快適に」という話題だ。

「如月の俺たちに対する扱いを改善すればボーダーは健全で明るくなる!!
違うか、米屋!!」
「諏訪さん、まず落ち着いて座って」

別にギャグではないが、この文を打つ側としてはギャグに見えた。
テンションが上がり、立ち上がったままの諏訪は、しっかり椅子に座った。
ここはロビーだから。
犬飼が満面の笑みで言う。

「みんなに挨拶するところから始めるべき!!」
「挨拶か。したら目線そらされるしな。
二宮さん、風間さんや忍田本部長相手ならしてるけど。」
「そりゃ目上だからじゃん?
・・・・・・あれ?二宮さんは目上?」
「俺、しょっちゅう飯誘ってんのに無視だな」

諏訪が如月に何をしたのか。太刀川並みの対応にちょっと同情した三人。
実際嫌われているわけではないのだが。
如月の改善すべき点をさらにあげていく。

「まず女性らしさだよな。
『みんな、お疲れ様。これ、私からの差し入れよ』なんてしたらボーダーの士気も上がる」

だんだんおっさんの妄想トークになりつつある。
この四人がおっさん発想かは皆さんの想像におまかせする。
四人が一斉に妄想して気づいた。
ボーダーの癒しはオペレーターだけだたことに。
中には平和的差別主義もいるが、基本癒しがオペレーターにしかない。
戦闘員の多くは男だ。

「癒しをもつ戦闘員は必要だろうな。」
「・・・・・・」

四人は今にして気づいた。
菊地原が正々堂々話を聞いていたことに。
正々堂々というのは、彼らの真横にいたことを指す。
カメレオンの仕業ではなく、スーパーハイテンションによって気がつかなかった四人が悪い。
菊地原はたったひとつ言いたかっただけの様子。

「性格を直すのは無理だから、癒しを重ねてみよう。
あの人がエプロンと包丁を持って、
『ご飯?それとも・・・・・・』って言ったら何を想像する?」

言い終えて満足した菊地原は、実は聞き耳をたてていた如月のもとに向かった。
四人が誰一人としていい妄想をしなかったのは、言うまでもない。
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