大好きだから


「・・・リクオ?」

私は目の前の光景が信じられなかった。なぜなら、愛する人が血まみれになって倒れていたから。それがやっと現実だと気づくと私はバッとリクオのもとに向かった

「リクオ!?どうしたの!?」
「しおり・・・か、わり・・・い、ドジ、しちま・・・った」

その体はいつも抱きしめてくれている体とは全くの逆で、氷のように冷たかった

「リクオ!!今治して、あげるから!!」
「しおり・・・す、きだっ・・・」

すると私の腕を掴んでいたリクオの手がドサッと冷たい地面の上に力なく叩きつけられた

「いやっ、いや!!リクオ!リクオ―――――――!!!」

リクオの冷たくなった体を最後に、私の意識がプツンと切れた





「――――い、おい!!しおり起きろ!!」
「ぇ―――?」

目を覚ますとそこは自室だった。そしてリクオが私を心配そうに見下ろしていた

「大丈夫か・・・?うなされてたぞ?」

夢・・・だったの?キョロキョロと辺りを見渡す。

「夢でも見てたのか・・・?」

リクオの問いかけにビクッと体を震わせる。先程まで見てた夢の内容を思い出して体がカタカタと震え始めた

「リク、オ・・・が、怪我する夢を見て・・・怖かっ、た!!」

あれは本当に夢だったのか?と、思うくらい鮮明に脳裏に焼きついていた。まるで、何かの警告のような

「・・・大丈夫だ、オレはここにいるよ。」

そういってギュッと抱きしめてくるリクオ、その体の温もりとリクオが吸っている煙管の香りが私にとってとても安心できるものだった

「ホント・・・?」
「当たり前だろう・・・?お前がオレを求めるのならオレはずっとお前のそばにいてやる」

チュッと私の唇に静かに口を落とす

「・・・っと」
「ん・・・?」

呟いた声が聞こえなかったのかリクオは聞き返す

「もっと・・・」
「へぇ・・・珍しいな、お前からオレを求めるなんて」
「リクオが求めたらそばにいてくれるっていったんでしょ?」

クスクスと笑うリクオの首に腕を回して答える

「・・・そういうのも悪くねえなあ」

そして再び唇を重ねた。先ほどの優しいのとは違い、とても深い口づけ

あぁ・・・私はこれを求めていなんだな―――――

甘い嬌声と共にふとそう思った
私はリクオがいればそれでいい――――――



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