あしたも、きらい。
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パパがママから渡されたのは、どうやら漬け物だったらしい。
こたつをすすめられて座るとすぐに、

「うちのが、送っていただいた白菜で漬けたんですよ。カズエさんからいただいたのがおいしかったから、味をみてほしいって」

そう言ってパパは包みを差し出した。

「あら、うれしい。じゃあ、さっそくいただこうかしら」

おばさんは台所に消えていく。
部屋にいるのは、あたしと、パパと、少し高さのある座椅子に座ってニコニコしているおばあちゃん。
正直、パパと2人っきりの車の中よりも微妙な空気。なんだか落ち着かない。
そもそも、なんであたしがここのお家に連れて来られたかもさっぱりわからないままだし。
そんな空気を壊すように、おばさんがお盆にお茶と白菜の漬け物を持って戻ってきた。

「ごめんねー若い子なんか来ないから、おばさん家ジュースとか無くって」

申し訳なさそうに言うので、

「あ、お茶好きです」

と小さく答える。

「ミヤ、朝食には必ずお茶飲むくらいお茶好きなんですよ」

あははっと、なぜかパパが笑ったので、あたしはちょっとイラッとしたんだけど、お茶を一口いただくことでなんとかそれを飲み込んだ。
パパとおばさんの話は、白菜の漬け方の話から最近のおばさんたちの様子、パパやあたしたち家族の様子についてまで、あっちこっちに飛んだ。
その間、あたしはママの漬け物を食べたりお茶を飲んだり、時々聞かれるあたしのことに答えたりうなずいたりと、なんでここにいるのか帰る間際までずっとわからないままだった。

帰り際、突然玄関から、

「ミヤちゃんいるー?」

と、おばあちゃんの声が聞こえてきた。突然の問いかけにビクッとしたあたしに、おばさんが笑う。

「ああ、ごめんね。こっちもね、ミヤちゃんなの。ていうか、ナオハルさんなんにも言ってないの?」

座椅子に座るおばあちゃんを指差して、あたしに笑ったおばさんは、呆れたようにパパを見た。
つられてあたしもパパを見ると、パパは「いやあ」と頭をかいているだけだった。

「ミヤちゃーん。あら、お客さんだった」

突然、扉が開いて、知らないおばあちゃんが部屋に入ってきた。おばさんとミヤおばあちゃんは、いつものことと気にもしていないみたいだ。

 

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