隠された真実(10/15) 「いたぞ!」 「ルーク様!追っかけましょう!」 「ミュウも行くですの!」 「あ、待って下さい。アリエッタに乱暴な事はしないで下さい!」 屋敷内を探索中に階段を駆け上がるライガを発見し、ルークとアニスにミュウ、そしてイオンが急いで追い掛け始めた。ティア達が待ったを掛けるも、時既に遅し。 七歳児に罠かもしれないという考えは浮かばなかったのだろう。アニスは責任を感じて少し焦ってる様子だったし。 …私?ええ、勿論私も追い掛けましたよ。必死に駆け上がりましたよ、クソ長い階段を。実際に自分で登ってみると、死ぬかと思った。いくら身体能力が上がった上に鍛えたとはいえ、やはりキツかった。 ルークとイオン、それにアニスは何でそんなに元気なんだ。ていうかイオン、あなた病弱じゃなかったの? 『ちょ……三人とも本当に待って!!』 何とか三人に追い付くも、既にルークは屋上の出口に差し掛かっていて……再度私が顔を上げた時には、ルークの姿が前方から既に消えていた。続けざまにイオンが屋上に出ようとしていたので、慌ててイオンの腕を引っ掴み、グイッと出口から引っ込めて強引にアニスへと手渡した。 その反動で屋上に弾き出されてしまった私は…… 「サク様っ!!」 ちょうど旋回してきたフレスベルグに捕まり、お空を遊泳中☆隣ではルークが気絶してます。いやはや、見事な迄に罠に嵌まってしまいましたねぇ。 「ルーク!サク!」 漸くガイ達も屋上に現れたのが見えた所で、服を掴んでいたフレスベルグの足がパッと離れた。一瞬の浮遊感の後、直ぐ様落下し始めるルークと私。 『…って、嫌あああああ!!?』 紐無しバンジーに、思わず叫んでしまった。いや、どちらかと言うと例の無駄に豪華な空飛ぶ椅子に座って空中キャッチを目論む何やら笑顔なディストに対しての悲鳴だったり。 ドサッドサッ、と空から落とされた私とルークの二人分の体重に、ディストから蛙の潰れた様な声が聞こえた。流石に二人分はキツかったらしい。断じて私が重いからではない……筈。 「ぐ……だ、大丈夫ですか?導師サク」 『な、何とか……ディストは無事?内臓破裂したり肺に肋骨刺さったりしてない?』 「グロテスクな事言わないで下さい!!」 ちょっと心配する所がリアル過ぎたらしい。まぁ、ツッコミが出来る位元気なら大丈夫だろう。 『…あれ?何でイオンじゃなくて私が拉致されてるの!?』 「ああ、それはシンクが貴女をお待ちかねだからですよ」 『……マジで?』 今の名前はちょっと聞きたくなかったかも。むしろ今からでも良いから見逃してぇえええ!!!自分から此処に来といてなんだけども!私と君は友達だよね?ディスト!? そんな私の思いも虚しく、ディストは城の中に飛び込み、例のフォミクリーの部屋へと向かった。ちょっと、無視は止めようよ。泣きたくなるでしょ。 *前 | 戻 | 次#
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