第零譜石


ガツンッ

『痛っつ!!?』



突然天から何かが降ってきて、呆然と頭上を見上げていた私の額に直撃した。あまりの痛みに思わず涙目になる。目から火花が散ったよ、今。

地面に転がっていたのは宝石の原石みたいな形の綺麗な翡翠色の石。ちょうど手乗りサイズのそれは、色といい形といい、譜石に良く似ている。そう、譜石に……



『って……え、譜石!?』



ND2018 異世界より来訪者が訪れし時、世界は変革の時を迎える。彼の者、未来を導く者の再来なり。

……ワォ、私にも詠めちゃったよ。頭の中に流れ混んできた文章を読み、やっぱり最強設定にしておいて良かったと思った。

ちなみに、今私が他に持ってるのはポケットの中にある携帯と操作してたゲームのコントローラーのみ。ゲームの世界でゲームのコントローラーを持ってるのもどうかと思うけど……てか、コントローラーはあるのに、その他のコードやゲーム本体は何処へ行ってしまったんだ。あぁ、私の部屋に置きっぱ……て待てよ?もしも私がゲームの中に入ったと仮定して、今私の部屋のテレビ画面には……私が映ってたりするのか?

ぎゃあああ!恥ずかし過ぎるから電源を切らなきゃ……って切れねぇええ!むしろ私がゲームの中にいる状態で切られたら私、どうなるの?.hackの未帰還者みたいになるとか?それは嫌ァアア!



「何だ……アレ?」

「さあ…?」



一人森の中で己と葛藤する少女を端から見た彼等には、不審者にしか見えなかっただろう。


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