腹黒イオン様


【隠された真実】より…


『……今回の一件の不手際については、私からも謝ります』



ごめんなさい、とサクはルーク達に頭を下げた。その事に、僅かに瞠目する一同。サクっ!!とアリエッタも焦って止めようとしたが、私は無言で彼女を制した。



『アリエッタは私が信頼を置く導師守護役です。今後のアリエッタの行動には、私が責任を持ちます。これ以上、彼女には和平締結を妨害する様な行動は私が取らせません』

「サク……」



アリエッタは不安気な表情で此方を見上げてきた。大丈夫だと、彼女の背中に腕を添えるも、彼女の表情は浮かないままだ。……厳しい立場に立たせてごめんね、と内心アリエッタに謝罪する。



「……アリエッタ。あなたをサク付きの導師守護役として、同行を許可します」

「イオン様!?」

「おいおいマジかよ!?」



勢いよくイオンへと振り返るアニスとルーク。全員の視線がイオンに集中したが、イオンは怯む事なく言葉を続けた。



「僕とサクの決定に、異議がある人は?」



にっこりと、イオンは笑顔を浮かべた。有無を言わせぬ彼の笑みに、あのジェイドでさえが表情を引きつらせていたりする。あれ?何かイオンが若干黒い気が……。クロノを彷彿とさせるこの笑顔の黒さは、気のせいだと願いたい。切実に。


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ギャグに分類して良いのか迷って微妙に使わなかったボツネタ。



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