零れ話
※ユリアの再来の章にてスピノザ逃走後
「そういえばサク、フレイルは…?」
『ああ、その事なんだけど、そっちに関してはちょっと予定が変更になってね』
首を傾げるアリエッタに、サクは分かりやすく事情を話した。
フレイルは朝早くから出発前のアルビオールの調整に行ったノエルの護衛に一緒について行った為に、朝の話し合いの席でも不在だったのだ。当初の予定では、フレイルにはクロノと一緒に一旦第六師団の方へ戻って貰おうと考えていたのだが……急遽サクの独断により、フレイルにはこのままルーク達について行って貰う事にした。
魔弾が知ったらどんな顔をするか、ちょっと興味深いよね。なんてニヤニヤしてるクロノとは、実は同意見だったりする。ノエルの方は兎も角、フレイルの方はまだ無自覚みたいだし。互いにちょっとだけ脈アリ、な状態とでも言いますか。でも、まだ片想いに迄は発展していない感じ。見ている側としては非常にじれったくも楽しい訳です。
『…ていうか、何で別行動を取ってたクロノが知ってるのさ』
「嫌だなぁ。サクは僕を一体誰だと思ってるの?」
何だか笑顔が恐いですクロノさん。質問の答えを訊くのも憚れる位。アリエッタは首を傾げたままだったが。…きっとこの世界の隠しボスには、魔王が加わるに違いない。
「……何か、フレイルが不憫に思えてきたよ…」
『え?何でさ』
「さぁね」
全く気付いてない様子のサクに、クロノはため息をついた。サクは他人の恋路には妙に悟い癖に、自分の事になるとかなり疎くなるらしい。現在フレイルが片想いを抱いてる相手が誰なのか、その相手がいるからノエルとの恋にまでなかなか発展しない事を、サクは知らない。複雑な人間関係から、あちこちで三角関係が展開されかけてるんだけど、絶対気付いてないよコイツ。
ま、今に始まった事じゃないし、僕にはあまり関係ない事だから別にいいけどさ。
――――――――――――
実はフレイルとノエルにはそんな裏設定があったりするんだよー…っていう裏話。実は結構前からフラグを立てて来てるんですよあの二人←
本編に組み込もうと思ったけど、ややこしくなりそうだったから執筆途中でボツになりました。でも気が向いたらきっと復活します(笑
もしくは番外編やスピンオフで書きたいなぁ…なんて事も、ちょっとだけ思っていたり←
- 7 -
[*前] | [次#]