07

エンゲーブの黒歴史


「イオン達は……ローズさんの家か?」

「多分そうね。行ってみましょう」



前回の様に漆黒の翼と間違われるのは御免だ。という訳で、サッサとイオン達がいると思われるローズさん家に真っ直ぐ行く事にした一行。



「ミュ?ご主人様、彼処には行かないですの?」

「彼処って?」

「ミソくれよ!のサブイベにですの」

ダァアアアー!俺の黒歴史を思い出させんじゃぬぇー!つーか何でお前が知ってんだよ!?」



出来れば思い出したくない、むしろ記憶から抹消してしまいたい、世間知らずどころか自分がレプリカだという事実も知らない我が儘坊っちゃま略して長髪ルークだった頃の黒歴史の一つである。最初の町に着いて早々に頭を抱えたくなった。

俺はもうあの頃の俺とは違うんだ!理由もなく他人の家宅に不法侵入したり、他人の台所事情に首を突っ込んだりするかよ!!今の俺は買い物だって普通に出来る!ガルドが無くても魔物が落としたコインで商品を買える事だって理解してる!今なら普通に味噌が欲しいと頼まれたというちょっとしたお使いだって楽勝にクリア出来る自信もある!人として、レプリカ代表として!!

なのに…



「五月蝿くて怪しい奴等だ。漆黒の翼の一味かもしれねぇ。ローズさんとこに連れて行こうぜ!」

「だから何でだぁあああ」



ルークのミュウに対して入れたツッコミが仇となり、町の人に難癖付けられ猫の様に首根っこを掴み上げられた。疑惑を掛けられた理由が前回以上に理不尽だ!



「(調度良い口実が出来たからこのまま黙ってた方が良いかしら…)」



そんなルークの様子を傍観しながら、冷静に考えるティア。この辺の流れは前回ともあまり変わらないのであった。


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