クオイの森

ギガント倒したり魔狩りの剣に絡まれたり買い出ししたり宿屋で休んだりとかしてる間に、ユーリ達は既に居なくなっていた。当たり前か。

彼等を追うべく、かつて借りパクしたウィングパック(レザレノカンパニー製)からレアバードを取り出して、漸く追いついたのであった。



「アワワワ、この間森で暴れてた人達だ!!?」

『あれ?先生見てたんだ。ひょっとして、あの時近くに無害そうな魔物の気配があって放置してたアレかな』

「恐らくね」

「僕は魔物じゃないよう!!ていうか先生って何!?」



カロルの証言により発覚したけど、私とシンクがいた森って迷いの森だったのかよ。完璧二度手間しちゃったなぁ……あのままあそこでユーリ達が来るのを待ってれば良かったかも。



『ちなみにアレは暴れてたんじゃないよ。生存戦略をしてたの』

「普通に襲われてたって言えばいいのに…」



むしろ森を縄張りにしてる魔物の群れを相手にケンカ売ってたよね、サクの方が。と隣でボヤくシンクはスルーの方向で。そういうシンクも結構楽しんでた癖に。



「お前らって、砦でもデッケー魔物倒してたよな」

「あれは不可抗力だよ。誰かさんが子供の人形を落としたのに気付かなかったお陰で逃げ遅れてね」

「そりゃとんだ災難だったな…」



シンクの言葉に、ユーリの笑みが若干引き吊ってる……全く、初対面相手にツンツンし過ぎだよ。まぁ、これでも以前に比べたら、他者に対してもかなり丸くなった方なんだけどね。

ちなみにシンクには、彼等が今後この世界の行く末に関わる人物達だと説明してある。ルーク達みたいな感じ、と説明したら納得された。

それはそうと、そろそろ本題に入らないと話が進みそうにない。何気に自己紹介もしてないし。



『私はサク。彼は相方のシンク。(中略)私もユーリ達の仲間に入れて』

「何で今略したの!?そこって結構重要だよね!?」

『旅をするにも、二人とも土地勘が無くてさ〜』

「俺らもねぇけどな」

『少なくとも、私とシンクは戦力にはなるよ。ね、カロル先生』

「ま、まあね!(明らかに僕より強いよこの二人…手練れだよ!!)」

「フフ、何だか楽しい旅になってきましたね」

「むしろ行く先々で厄介事に巻き込まれてる様な…」



こうしてサクとシンクは、晴れてユーリ達のパーティーメンバー入りを果たしたのであった。


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