02




『いや、うん、ちょっと落ち着こうか・・・うん。』


自分の格好をみて、テンパったのはついさっきのはなしだ。

私は戦装束のはずだったのにもかかわらず、今は淡い紫色の着物・・・というよりは浴衣を着ているのだ。

私の戦装束はどこに行ったのだろうか・・・



「お、目が覚めたか。」



なんて考えていたらのれん・・・否、布の仕切りをくぐって人がはいってきた。

白銀の髪に左目に眼帯。


雰囲気は、なんとなく、だけど政宗さんっぽいがなにせん露出が高い。

お願いします、その肩にかけている服の役割を果たしてあげてください。



「アンタ、見ない顔だが、どこの奴だ。」

『・・・』

「おっと、すまねぇ。
 俺は長曾我部元親・・・西海の鬼たぁ、俺のことよ。」



でも、言われた言葉に、納得

西海・・・ということは此処は海に近いのだろう。
つまり彼が私を助けてくれたのだ。

そして、長曾我部・・・といえば、四国を治めている大名の名。

海賊だが、どちらかといえば良いほうだろう。

自衛隊・・・みたいな感じだと、話を聞いた限り思ったのだが・・・


でも、刑部さんが何かを企んでいた気がする・・・うん。



「で、アンタは?」

『私・・・?』



けれど、私は言ってもいいんだろうか。
少し悩む。


これはいっそ大嘘をついてしまおうか・・・けれど露見したときに面倒になるのはいやだ。
それに、一応助けてもらったのだからな。



『私は弥月っていうの、
 此処の近くの海で・・・船に乗っていたんだけどさ、戦に巻き込まれて・・・』

「戦・・・?」

『えぇ、運悪く流れ弾に。』



戦に巻き込まれた、というのは嘘だけれど・・・。
でも以外に本当だったりする。

でも、あのレイピアはどこに行ってしまったのだろうか・・・


あれには、豊臣の家紋が入っている。
うかつに人に渡れば、なにかしら、問題が起こる。


「っつーことは、アンタ毛利んのとこ・・・」

『え、あ、はい。』

「此処は安芸じゃねぇ、四国だ。 っつても・・・」



あぁ、でも、その後の言葉は言われなくても理解できた。
だって、ここは酷く血なまぐさい。



「今は、アンタの見たことのある四国じゃねぇとおもうが。」


今、この人は、ボロボロの国の国王なんだ・・・。



執筆日 20130314


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