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「やれ、やっと目覚めよったか。」

『遅くなって、ごめんなさい。』



明るい光に包まれたその場所に、彼と私はいた。
業を背負った、私のよく知る姿で。



「主には、まこと振り回されてばかりよ」

『でも、私をずっと助けてくれたのは刑部さんでした。』

「はて、なんのことやら」



くすくすと笑ってしまう。




『私は、豊臣を導けませんでした。』

「・・・」

『でも、天から来た猫は、本当は豊臣を導くんじゃないんです。
 たった一人の人を、光へと、未来へと導く刃なんです。』

「ヒヒ、やはり主はおもしろい。」




でも、それでも私は彼のそばに居たい。
導く刃と称された私の一番の願い。


刃の存在理由は、彼につく闇を、祓うこと。




『刑部さん。』

「あい、分かっている、主の言いたいことは
 やれ、進めススメ」




にこり、笑って踵を返す。
もう、振り返りはしない・・・


ただ、歩く、歩いて歩いて、







『っ私は、』





彼のそばにありたい。





執筆日 20130424


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