01




「っ、」



日々寒さを増していく奥州。
竜の右目、片倉小十郎は頭を悩ませていた。


つい先日。


国の重役が集まって開かれた講義に、一番の中心人物といえるであろう、石田が軍師の姿はなく、彼女から手紙を受け取ったという上杉の忍は、彼女から託された手紙の内容を伝えると消えた。

いっそ、大阪へと赴くと言い出した己の主、伊達政宗を抑えこみ、やっと執務を再開させたばかりだというのに……



「(どうなってやがる)」



武田の忍から緊急で送られてきた文にあの日、石田がその軍師のことを殺そうとしたとかいてあった。


それだけならまだ己も慌てただろう。


最後に書かれていたのは、助けようとしたさいに光を纏って消え、そのまま行方不明ということだった.









「一体、何がどうなってんだ」





小十郎の言葉に、答えられるものは居ない。


執筆日 20130414


[ 50/80 ]

[*prev] [next#]
[戻る]
[しおりを挟む]



×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -