04



グンっと、腕が引かれて、抱きしめられたのは本格的に殴りたくなったのは仕方が無いだろう。


目の前に広がった迷彩。
そして血の匂いとわずかな・・・花の香り・・・?



「っ風魔!!」



慣れない浮遊感とか、関係ない。

叫んだこの男と、さっきまで居たあの場所は陥没し、海が見えていた。
もしも万が一、この男が私を引っ張らなかったら・・・・




『ふう・・ま・・?』



ユラリ、

蒼い空に不似合いな黒い羽。
太陽にあまり晒されないであろう、その黒の姿。
まさしく・・・闇の忍・・・。


だけど・・・嘘でしょ・・・



『(敵国の忍が・・二人も・・・っ)』



どうして?
何時、見逃した・・・?

これは、私のせい・・私がちゃんと周りを見れていなかったから・・・。



『っ離せ!!』

「あばれちゃ駄目だって!!」

『うるっさいぃい!!』




パァン!!!





放った、一発の弾丸。


小さくうめいた声と、傾いく体。
あ、これ、やばいかもしれない。



空中へ投げ出された体。





「っ------!!」



伸ばされた手。
少し熱を持った銃身。

あぁ、傷つけた私でさえも、助けようとした。


なんで、なのかなぁ・・・。


からからっと私の手から滑り落ちた銃が転がっているのが見えた。






『ばぁか、』






ばしゃんっ!!!





身体を包んだのは冷たい液体。

銃を手放してよかった。

なんて変に安心してしまった




だけど・・・




『(どうしよう・・・)』






かすんだ視界が、気持ち悪い。






*-*表裏之戦*-*


(大谷、貴様の駒は散ったようだな)

(・・ヒヒ、あやつは死なぬ・・三成を遺して、あやつは逝かぬ)




執筆日 20130313


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