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『毛利元就?あの三本の矢の?』
「主の言う「あの」は分からぬが、その毛利元就よ、」
半兵衛様方亡くなって、世界は真っ二つになったといっても良かった。
無論、私だけでも無いが・・混乱している人はおおく。
豊臣軍は崩壊、けれど、今は石田軍として大阪を中心にしている。
で、いきなり大谷様・・・否、刑部さんに「安芸の地に居る、毛利元就のところへ行くぞ」といわれたのだ。
いや、初めて会いに行くのにそれでいいのだろうか・・・
「三成は行かぬゆえ、必然的に主が総大将になる、
やれ、頑張れ。」
『え、一緒ではないのですか?』
「ヒヒッ、たまには戦線から抜けるのも良かろう、」
それから言われた言葉に首を傾げてしまう。
確かに三成さんは秀吉様の変わりに、秀吉様のためにと、いまや執務付けでご飯すらあまりに食べない。
寝ないし・・・人間の第3欲求がすっぽ抜けているんだと思うのだけれどね。うん。
『まぁ、そうですが・・・』
「三成には忍をつけて監視させておくゆえ、心配することはない。」
『・・・監視って・・・』
「やれ、それほど今回のことに三成は不要よ、フヨウ」
いや、確かにその言い方も言い方でどうかとは思うが・・・まぁ・・・
『(大丈夫・・・だよね・・・)』
今は刑部さんが第一軍師、私が副としてやってはいるが、なぜか一任されている。
うぬ、解せぬが・・・
策を考えようとしたが、必要ないといわれた
・・・何故に?
執筆日 20130312
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